9.戀の刊
開けた窗をしのびこんだ
風が君の髮を搖らす
讀み始めた本の途中で
眠りだした君を見てる
ステレオからやさしい聲
せまい部屋を滿たしていく
今にも手を落ちそうな本を
風がふわり捲っていく
君の笑顏に 君の淚に
戀の刊をはさみながら步いていく
夢がいつか覺めてもすぐに戾れるように
君と僕との隙間すきまに
戀の刊をはさみながら步いていく
氣まぐれでこの戀をもう疑わないように
出かけるのはやめにしようって
君が急に言いだすから
時が止まった部屋でひとり
何もせずに君を見てる
やけに香る苦い珈琲
君の分も煎れておくよ
主人公の戀のゆくえ
夢の中じゃどうなってる?
君の寢顏に 君の素顏に
戀の刊をはさみながら步いていく
夢がいつか覺めてもここに戾れるように
君と僕との隙間すきまに
戀の刊をはさみながら步いていく
ささやかな幸せをいつも忘れないように
途切れた
讀みかけのスト一リ一が夢の中
君の言葉に 君の仕草に
戀の刊をはさみながら步いていく
どんなときもふたり何も迷わないように
日々と日々との隙間すきまに
戀の刊を はさみながら步いていく
このスト一リ一がいつまでも愛の包まれるように
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